独自動車大手5社にカルテル疑惑、排ガス不正の背景にも=独誌

2017/07/28発行 No.604号

記事分類:総合 – 自動車産業ニュース

独自動車大手5社にカルテル疑惑が浮上している。7月22日発行の独有力誌『シュピーゲル』が報じた。同誌によると、ダイムラー、BMW、アウディ、ポルシェ、フォルクスワーゲン(VW)の5社は少なくとも1990年代から現在に至るまで、車両の開発やコスト、部品メーカー、市場などについて、会合を重ねてきたという。この会合で排ガス処理システムに必要な部品の採用を決めたことがVWで2015年9月に発覚したディーゼル車での不正ソフトウエア搭載につながったと報じている。今回のケースでは、課徴金が数百億ユーロの規模になる可能性があり、ドイツでは戦後最大規模のカルテル疑惑として大きな注目を集めている。

『シュピーゲル』誌によると、5社の会合は1990年代に始まり、次第にテーマが広がっていった。テーマ別に設定された作業部会は60を超え、過去5年では1,000回以上の会合がもたれたという。

会合では、ディーゼル車の排ガス処理システムで使われる尿素水「アドブルー(AdBlue)」のタンクの大きさも協議の対象となった。ディーゼル車の排ガス処理システムである選択触媒還元(SCR)システムでは、アドブルーを噴射するためのタンクが付いており、アドブルーを噴射して化学反応により排ガス中の窒素酸化物(NOx)を削減する。

同システムで大型のタンクを採用すれば、尿素水を補充する間隔は長くなるが、価格は高くなり、スペースも取る。このため5社は小型のタンクの採用を決めた。ただ、排ガス規制が強化されると、排ガスの浄化に必要な尿素水の使用量も増えるため、顧客はこれまでより短い走行距離で尿素水を補充しなければならなくなる。VWは尿素水の使用量を節約するため、排ガス試験時のみ排ガス浄化機能をフル稼働させる不正ソフトウエアを搭載するに至ったという。

同誌によると、ダイムラー、フォルクスワーゲン(VW)およびVW傘下のアウディとポルシェは欧州連合(EU)の欧州委員会とドイツの連邦カルテル庁に自己申告しているという。カルテルへの関与が認定されると、売上高の最大10%の課徴金支払いを命じられる可能性があるが、最初にカルテル疑惑を通報したり、調査に協力した企業は、課徴金の免除や減額装置を受けることができる。

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