欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/3/16

EUその他

食品の97%、残留農薬が基準値以下=欧州食品安全機関

この記事の要約

欧州食品安全機関(EFSA)は12日、食品中の残留農薬に関する2013年度年次報告書を発表した。これによると、EU加盟27カ国とノルウェーとアイスランドで流通する食品の約97%は残留農薬が基準値以下だった。 EUの残留農 […]

欧州食品安全機関(EFSA)は12日、食品中の残留農薬に関する2013年度年次報告書を発表した。これによると、EU加盟27カ国とノルウェーとアイスランドで流通する食品の約97%は残留農薬が基準値以下だった。

EUの残留農薬調査は、各国が独自に行う国内プログラムと、全参加国が共通の食品・農薬について実施するEU共通プログラムの2種類あり、両プログラムを合わせて8万967の生鮮・加工食品サンプルについて685種の農薬の残留の有無が調査された。その結果、サンプルの97.4%は残留農薬が基準値以下で、54.6%からは検出されなかった。基準値を上回ったのは全体の1.5%で、こうした食品を製造・販売した業者には制裁が科されることになる。また、27.3%のサンプルで2種類以上の残留農薬が検出された。有機食品では15.5%に基準値以下の農薬が検出され、基準値を超過したのは0.8%だった。調査対象となったサンプルの68.2%はEU産、27.7%は域外産で、残留農薬の基準値を超過したサンプルの割合はEU産が1.4%だったのに対し、域外産は5.7%だった。

EU共通プログラムでは、12種の食品(リンゴ、キャベツ、リーク、レタス、モモ、ライ麦、オーツ麦、イチゴ、トマト、牛乳、豚肉およびワイン)について、1万1,582のサンプルが調査された。残留農薬が基準値以下だったのは全体の99.1%で、約53%からは検出されなかった。EFSAは、EU共通プログラムのデータを用いて残留農薬への現在の暴露がヒトの健康に与えるリスクを長期と短期に分けて評価した結果、食品の残留農薬は消費者の健康に長期的に影響を与える可能性は低く、短期についても食品によって健康被害が生じるレベルの残留農薬に暴露する確率は低いと結論づけた。