欧州委員会は12日、独自動車部品大手のZFフリードリヒスハーフェンによる米同業TRWオートモーティブの買収計画を条件付きで承認したと発表した。これにより、ZFは売上高が170億ユーロから約300億ユーロに拡大し、世界第2位の自動車部品メーカーとなる。
ZFは昨年9月にTRWを135億米ドルで買収することで合意し、今年1月に欧州委に買収計画の承認を申請した。欧州委はこの取引について、乗用車・トラック向シャシーコンポーネントで最大級のサプライヤーであるZFとTRWが合併することによって、欧州のシャシーコンポーネント市場への新規参入が難しくなり、価格上昇につながる恐れがあるとの懸念を表明。ZFはこうした競争法上の懸念を解消するため、TRWが欧州のシャシーコンポーネント事業を売却する譲歩案を提案していた。
欧州委は、TRWのコンポーネント事業売却によって、両社の乗用車・トラック向シャシーコンポーネント事業の重複が解消され、シャシーコンポーネント市場への新規業者の参入が容易になることで、競争法上の懸念はなくなるとしてZFの提案を評価。この譲歩案の内容が完全に実行されることを条件に、買収計画を承認するとした。
