欧州委員会は8日、北欧通信大手のテリアソネラ(スウェーデン)とテレノール(ノルウェー)による合弁会社設立計画について、EU競争法上問題がないか本格的な調査を開始したと発表した。
テリアソネラとテレノールは昨年12月、デンマークの携帯電話サービス事業を統合し、合弁会社を設立すると発表した。テリアソネラとテレノールはデンマークの携帯電話サービス市場で第2位、第3位のシェアを持っており、合弁会社が設立されれば最大手TDCを抜いて加入者数、売上高ともにデンマーク最大の携帯電話サービス事業者となる。
欧州委は、合弁計画が実現するとデンマークで携帯電話サービスを提供する事業者の数は現在の4社から3社に減少するため、事業者間の競争に対するインセンティブが低下し、サービス価格の上昇やサービスの質の低下につながる恐れがあると指摘。また、自社で回線網を持たないホールセール(卸売)顧客にとってはホスト回線網の選択肢が狭まり、価格交渉で不利な立場に置かれることになると懸念を表明している。
欧州委は8月15日までに判断を下す見通し。ベスタゲール委員(競争政策担当)は、「通信企業は多くの人々の日常生活に欠かせない重要なサービスを提供している。合弁計画がデンマークの消費者や企業にとって価格上昇につながらないことを確認するのが調査の目的だ」と述べた。