欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/10/26

EU情報

EUの温効ガス、90年比23%減を達成

この記事の要約

欧州環境庁(EEA)が20日公表したリポートによると、EU域内における2014年の温室効果ガス排出量は基準年の1990年比で23%減少した。EUが公約している20年までに温室効果ガスを20%削減するとの目標を前倒しで達成 […]

欧州環境庁(EEA)が20日公表したリポートによると、EU域内における2014年の温室効果ガス排出量は基準年の1990年比で23%減少した。EUが公約している20年までに温室効果ガスを20%削減するとの目標を前倒しで達成したことになる。EEAはEU加盟国が現行政策を維持した場合は20年までに24%、すでに計画されている追加措置を実行した場合は25%の削減が可能との見方を示している。

14年の温室効果ガス排出量は前年比で4%減少した。EEAは暖冬で暖房用のエネルギー消費が減少したことが主因と説明している。

欧州委員会のカニェテ委員(気候行動・エネルギー担当)は「EU経済は1990年から2014年にかけて46%の成長を遂げたが、この間に温室効果ガスを23%削減することに成功した。このことは経済成長と温暖化対策の両立が可能であることの証明だ。年末にパリで開催される気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)に向け、EUの政策が効果を上げていることを国際社会にアピールするうえで強力なメッセージになる」とコメントした。

一方、EUは2030年までに温室効果ガスを90年比で少なくとも40%削減するとの目標を掲げている。EEAは20年以降も排出量の減少傾向が続くものの、削減のペースは徐々に鈍化すると分析。EU加盟国が現行政策を維持した場合は27%、すでに計画されている追加措置を実行した場合でも30%の削減にとどまるとの予測を示し、目標達成に向けて「エネルギー生産および消費のあり方を根本的に変える必要がある」(Bruyninckx事務局長)と指摘している。