欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/11/2

EU情報

コソボがEU加盟へ前進、SAA協定に調印

この記事の要約

EUとコソボは10月27日、「安定化・連合協定(SAA)」に調印した。SAAはEU加盟の前段階となるもので、コソボは悲願のEU入りに向けて一歩前進した。 2008年にセルビアからの独立を宣言したコソボは、13年10月にS […]

EUとコソボは10月27日、「安定化・連合協定(SAA)」に調印した。SAAはEU加盟の前段階となるもので、コソボは悲願のEU入りに向けて一歩前進した。

2008年にセルビアからの独立を宣言したコソボは、13年10月にSAA締結に向けた交渉を開始。同交渉は昨年5月に完了し、EU加盟国は10月22日に調印を承認していた。協定は欧州会の承認を経て、来年上期に発効の予定だ。

SAA発効によってコソボは政治、経済面でEUとの関係が深まり、国内企業は関税ゼロでEU域内に輸出できるようになる。

バルカン諸国ではスロベニアとクロアチアがEU加盟国となっている。さらにセルビア、モンテネグロ、マケドニア、アルバニアが加盟候補国に認定済みで、モンテネグロとセルビアは加盟交渉を開始している。6月にはボスニアとEUのSAAが発効した。

EUではセルビアのほカ国内の分離独立問題を抱えるスペイン、ギリシャ、スロバキア、ルーマニア、キプロスがコソボを国家として承認していない。これら5カ国はSAA調印には同意したものの、加盟に向けた次のステップとなる加盟候補国認定には応じないのが確実で、コソボの加盟への道のりはなお険しい。イサ・ムスタファ首相は同日、次の現実的な目標として、EUとのビザ(査証)免除協定締結を目指す意向を表明した。