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欧州議会が反ダンピング規制改正案を可決

2017年11月20日発行 No.176号

欧州議会は15日の本会議で、不公平な貿易競争から域内産業を保護することを目的とした反ダンピング(不当廉売)課税に関する規則の改正案を賛成多数で可決した。鉄鋼などの過剰生産が問題視されている中国を念頭に、不当な輸出補助などによって国内価格を大幅に下回る価格でEU市場に輸出された製品に対し、当該国の労働条件や環境基準を考慮して反ダンピング関税措置を講じることができるようにする。閣僚理事会の正式な承認を経て、年内の新ルール導入が見込まれる。

法改正の柱は、輸出国が市場経済国か非市場経済国かによって反ダンピング措置の扱いが変わる仕組みを改め、ダンピングが疑われるケースですべて世界貿易機関(WTO)加盟国を同一に扱う点。これは2001年にWTOに加盟した中国を15年間は非市場経済国として扱うとの規定が昨年12月に失効したにもかかわらず、EUや米国が市場経済国としての認定を見送ったことを受け、中国側が協定違反でWTOに提訴していることが背景にある。市場経済国に認定した場合、中国からの安価な輸入品に対して反ダンピング措置を発動することが困難になるため、EUでは中国を市場経済国として認定するか否かにかかわらず、WTOの法的義務に抵触することなく適切に対抗措置を講じることができるよう、制度の見直しを進めていた。

改正案によると、ダンピングが疑われるケースで欧州委員会が「国家の介入によって市場に重大な歪みが生じている」と判断した場合、反ダンピング課税で対抗措置を取れるようにする。その際、国の政策や影響力、国有企業の存在、国内企業を優遇する差別的措置、金融セクターの独立性の有無などが判断基準となる。さらに、劣悪な労働条件の下でコストを抑えて生産した製品を海外市場で廉売する「ソーシャルダンピング」や、環境基準が相対的に低い国で生産することで関連費用を内部化せずに価格を低く設定する「環境ダンピング」の実態も考慮して、総合的に判断することが可能になる。

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