英離脱に伴うEU2機関の移転先、パリとアムステルダムに決定

2017/11/27発行 No.177号

記事分類:EU情報

EUは20日に開いた総務相理事会で、英ロンドンにあるEU主要2機関の移転先を決定した。EUの薬事規制を統括する欧州医薬品庁(EMA)はオランダのアムステルダム、銀行監督を担当する欧州銀行監督機構(EBA)は仏パリに移転する。

両機関の移転は英国のEU離脱に伴うもので、EMAはアムステルダム、ミラノ、ウイーン、コペンハーゲン、ダブリン、ブラチスラバなど19都市、EBAはフランクフルト、パリ、ダブリン、ワルシャワなど8都市が候補となっていた。

英国を除く27カ国の総務相理事会では、2回の投票で候補地を2都市に絞り込み、EMAはアムステルダムとミラノ、EBAはパリとダブリンが決選投票に進んだ。1カ国が棄権した同投票では、どちらも両都市が13票で並んだため、抽選でアムステルダムとパリに決まった。

EU機関の誘致には政治的な意味合いのほか雇用、関連施設の設置、人の往来など経済的な利益ももたらされることから、EMAとEBAの移転にはハンガリー、スロベニア、キプロス、リトアニア、エストニア、ラトビアを除く加盟国が名乗りを上げ、激しい誘致合戦を繰り広げた。特に中東欧諸国は、EU機関が西欧に集中していることを強調して支持を求めた。しかし、いずれの候補都市も1回目の投票でふるい落とされた。両機関の職員の多くが西欧での居住を望み、移転先が中東欧に決まった場合は離職者が相次ぐ恐れが浮上したことが大きな要因になったと目されている。

EBAをめぐっては、欧州中央銀行(ECB)が拠点とする独フランクフルトが最有力候補をみなされていた。ところが、フランクフルトは2回目の投票で脱落という予想外の結果となった。パリには金融取引規制を統括する欧州証券市場監督機構(ESMA)に続き、EUの重要な金融関連機関が置かれることになる。

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