英離脱後の移行期間めぐる交渉方針、EUが採択

2018/02/05発行 No.185号

記事分類:EU情報

EUの英国を除く27カ国は1月29日に開いた総務理事会で、EUと英国の離脱交渉で新たな焦点となる「移行期間」をめぐる協議の方針を定めた「交渉指令」を採択した。欧州委員会が昨年12月にまとめた指令案に沿った内容で、同期間の期限を2020年12月末とする。

「移行期間」の設定は、英国のEU離脱直後に双方の関係が激変し、貿易などに大きな影響が及ぶのを避けるため、英政府側が求めているもの。英国とEUの自由貿易協定(FTA)締結までの時間を稼ぐ意図もある。英国は2019年3月末に離脱することになっているが、同期間中はEU単一市場にとどまり、実質的にEU離脱が2年間遅れることになる。

採択された交渉指令によると、移行期間は2020年12月末が期限。英国側が要望する期間と比べて3カ月短い設定となる。

英国はEU離脱後も、移行期間中はEU単一市場と関税同盟にとどまる。しかし、「いいとこ取り」を避けるため、英国は同期間中にEUの意思決定に参加できず、EU予算拠出の義務を負い、EUの法令が適用され、EU司法裁判所の管轄下に置かれる。EU内の人の自由な移動を認めるという原則にも従わなければならない。また、移行期間中に新たに成立したEU法令に従う義務を負う。

一方、離脱によってEUが域外諸国と締結しているFTAから除外される英国は、移行期間中に第三国とFTA交渉を開始することが認められるが、EU27カ国の事前承認が必要となる。

EUは12月中旬に開いた首脳会議で、英国と進めてきた離脱条件に関する交渉に「十分な進展」があったと判断し、通商など将来の関係をめぐる第2段階の交渉に入ることを承認。まず移行期間に関する協議を開始することを決めた。本丸の通商協議は3月以降に開始される。

英政府は3月中に移行期間に関する交渉を完了し、通商協議に入りたい考えだ。ただ、英国内では移行期間中にEUの意思決定に参加できないのに、新たに決まるルールが適用されることや、第三国とのFTA交渉にEUの承認が必要となることに反発する動きがあり、協議の難航が予想される。

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