FBC

ログイン Menu

EU長期予算増額、欧州委が具体案発表

2018年2月19日発行 No.187号

欧州委員会は14日、EUの長期予算を英国が離脱した後も増額するための具体案を発表した。英国の拠出がなくなることで空く穴を農業補助金などの予算を減らして埋める努力を進めるだけでなく、安全保障などEUが直面する課題に対応するため、法人税収の強化などによって財源を拡大し、必要な分野への支出を増やしていく。

2019年3月にEUを離脱する英国は、2020年までEU予算の分担金を負担することになっている。しかし、次期の長期予算(対象期間2021~27年)から同国の拠出がなくなり、財源が年100億ユーロ以上減る。

それでも欧州委のユンケル委員長は1月初め、EUは安全保障や移民対策、国境管理などを強化する必要があるとして、予算を縮小せず、増強していく方針を打ち出していた。

欧州委は支出削減策として、◇農業補助金を中小農家に絞って交付することで関連予算を削減する◇地域振興向け補助金の交付をイタリアとスペインの多くの地域で打ち切り、

オーストリア、ベルギー、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、アイルランド、オランダ、スウェーデンについては交付対象外とする◇EUの基本的価値や法秩序に従わない国への補助金交付を制限する――などを提案した。

一方、欧州委はこれらの削減を実施したとしても、必要な分野への予算配分を増やすため、EUの単年予算を現在の域内国民総所得(GNI)比1%から1.1~1.2%に引き上げる方針。財源強化策として、各国が徴収する法人税収と、排出権取引で得る収入をEUに移管する額の拡大を提案した。英離脱で空いた穴を残る27カ国の拠出拡大で埋める形となる。また、欧州中央銀行貨幣発行利益を財源に組み込む案も示した。

欧州委は同案を23日に開かれるEU首脳会議に提示し、各国の意見を聞いた上で、5月2日に正式な提案を発表する予定だ。

▲このページのトップへ