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ECBが量的緩和の年内終了を決定、国債購入は9月から半減

2018年6月18日発行 No.203号

欧州中央銀行(ECB)は14日にラトビアの首都リガで開いた定例政策理事会で、ユーロ圏の国債などを買い入れる量的金融緩和を年内に終了することを決めた。ユーロ圏の景気回復が続き、物価の上昇が見込めると判断したためで、毎月の購入額を9月から半分の150億ユーロに削減した上で、来年1月から購入を打ち切る。

ECBはユーロ圏のデフレ回避と景気下支えを目的に、ユーロ圏の国債や資産担保証券(ABS)、担保付き債券(カバードボンド)、EUの機関が発行する債券などを買い入れる異例の量的金融緩和を15年3月に開始。当初は16年9月まで続けることになっていた。しかし、ユーロ圏のインフレ率が目標とする2%に届かないことから、15年12月に実施期間を17年3月まで6カ月延長することを決め、16年3月には買い取り規模を月600億ユーロから800億ユーロに拡大した。

その後に景気が回復し、デフレ懸念も後退したため、16年12月に量的緩和を2017年12月末まで継続することを決めた一方で、17年4月から購入額を600億ユーロに縮小することを決定。さらに17年10月には、実施期限を18年9月まで延長するものの、1月以降の購入額を月300億ユーロに減らすことを決めていた。

ECBは今回の理事会で、量的緩和を12月まで延長するが、物価動向が予想から外れない限り購入額を半減し、1月から新規の購入を中止することを決めた。一方、超低金利政策については、少なくとも19年9月まで継続し、主要政策金利を0%、中銀預金金利をマイナス0.4%に据え置く方針も打ち出した。

ユーロ圏では緩やかな景気拡大が続いているもの、18年1~3月期のGDP伸び率は前期比0.4%となり、前期の0.7%から縮小した。ECBは同日発表した最新の内部経済予測で、18年の予想成長率を2.1%とし、前回(3月)の2.4%から下方修正した。

こうした状況下で量的緩和の打ち切りを決めたのは、物価の動きが背景にある。ユーロ圏では物価上昇の足取りは鈍く、インフレ率は5月に前年同月比1.9%と、ようやくECBの目標である「2%近く」の範囲内に入ったばかり(後続記事参照)。それでも、景気と雇用の回復に伴って賃上げ圧力が強まり、今後は上昇が加速するとみている。内部予測では18年の予想インフレ率を1.4%から1.7%に引き上げた。

量的緩和の終了には、ユーロ高を招き、ユーロ圏の輸出に悪影響を及ぼすリスクが伴う。ECBは米連邦準備制度理事会(FRB)が13日に追加利上げを決めたことで、このリスクが減ることも、今回の決定で考慮したもようだ。

ただ、ユーロ圏には米国の保護主義的政策、イタリアでのポピュリズム(大衆迎合主義)政権誕生といった不安要素もある。このため、ECBは量的緩和打ち切り後も当面は利上げを見送るのが適切と判断した。

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