2015/8/26

コーヒーブレイク

イケア、林業に「参入」~ルーマニア

この記事の要約

スウェーデンの家具大手イケアがルーマニア北東部で森を買った。林業を営み、自社製品の原材料として利用する狙いだ。森の面積は336ヘクタール弱。ここから採れる木材で、首都ブカレスト支店で売る家具の材料が十分にまかなえるという […]

スウェーデンの家具大手イケアがルーマニア北東部で森を買った。林業を営み、自社製品の原材料として利用する狙いだ。森の面積は336ヘクタール弱。ここから採れる木材で、首都ブカレスト支店で売る家具の材料が十分にまかなえるという。

イケアは「環境に配慮する企業」のイメージを押し出している。これまでにも社屋にソーラーパネルを設置したり、風力発電機を購入したりしてきた。今回は「木材が大好き」な企業として、木を消費するだけでなく造林も手がけることで、後の世代にも続く循環の仕組みを作るとしている。

イケアは3年前、「ロシア北部のカレリア地方に生えていた樹齢数百年の大木を家具に加工していた」という事実が発覚。森林管理協議会(FSC)が認証を取り消した。イケアの抗議を受けてFSCは再調査し「深刻な影響を及ぼしたとはいえない」との評価を発表したが、イメージダウンは否めなかった。

そこで、自ら林業を営むことになった……こともありそうだが、決定的な理由は木材の値上がりが見込まれることにある。イケアの家具に木は欠かせない。「内製化」で経費が膨らむのを食い止める狙いだ。

イケアは2020年までに売上高を500億ユーロに倍増させる目標を掲げる。販売価格は下がる傾向にあり、達成には今の2倍以上を売り上げねばならない。ただし、木の1本1本を有効利用する製品開発が進んでおり、必要な木材の量が2倍以上になるわけではないという。

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