2016/4/27

総合・マクロ

セルビア議会選挙、親欧派与党が勝利

この記事の要約

セルビアで24日に実施された議会(定数:250)選挙は、開票率97.46%の段階で親欧派の与党・セルビア進歩党(SNS)が48.25%を確保し、ヴチッチ首相(46)の続投が決まった。社会党(SPS)も11.01%を得票し […]

セルビアで24日に実施された議会(定数:250)選挙は、開票率97.46%の段階で親欧派の与党・セルビア進歩党(SNS)が48.25%を確保し、ヴチッチ首相(46)の続投が決まった。社会党(SPS)も11.01%を得票し、引き続き2党による連立政権を樹立する見通しだ。与党は欧州連合(EU)加盟に向けて国民の合意を確認できたとみて、今後、改革に取り組んでいく。

一方、親ロ派で急進的民族主義のセルビア急進党(SRS)が8.03%を獲得して第3党となり、議会に返り咲いた。ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争時の戦争犯罪に問われていたシェシェリ党首が、先月の旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷(ICTY)で証拠不十分のために無罪判決を受けたことが追い風となったもようだ。

このほか、民主党(DS、6.05%)、新党のサシャ・ラドゥロヴィッチ連合(DJB、5.99%)、社会民主党・自由民主党・ヴォイヴォディナ社会民主主義者同盟連合(SDS-LDP-LSV、5.03%)、セルビア民主党・ドゥヴェリ連合(DSS-Dveri、5.0%)が議席獲得に必要な5%を確保した。

議会会派数が、阻止条項の適用から除外される少数民族政党を含めて12政党・連合と改選前より多くなったため、進歩党の議席数は27減の131議席に、社会党も14減の30議席に減る。急進党は21議席、民主党は3減の16議席、DJBは16議席、SDS-LDP-LSVは5減の13議席、DSS-Dveriは13議席となる。少数民族政党は、ボイボディナ・ハンガリー人民主同盟(DZVM)が4議席、サンジャク地方ボスニア民主党(BDZ)が2議席、ボスニア・ヘルツェゴビナ民主行動党(SDA)が2議席、アルバニア民主行動党(PVD/PDD)が1議席、緑の党が1議席。

今回の選挙は、痛みを伴う改革を実施する前に国民の同意を確認する目的で、予定よりも2年早く行われた。ヴチッチ政権は財政健全化に向けて国有企業の赤字削減を迫られており、民営化か雇用削減で対応しなければならない。

連立政権は安定過半数を確保し、EU加盟の基本政策が阻害される可能性は小さい。ただ、急進党のシェシェリ党首は弁が立つことで知られており、論戦の中で与党は自らの政治的立場をより鮮明化することを迫られそうだ。

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