2016/12/21

総合・マクロ

トルコ加盟交渉、EUが拡大見送り

この記事の要約

欧州連合(EU)加盟国は13日に開いた閣僚理事会で、トルコとの加盟交渉を拡大せず、新たな分野の交渉を開始しないことを決めた。オーストリアが求めていた交渉そのものの凍結は見送ったものの、交渉の停滞がさらに深刻化することにな […]

欧州連合(EU)加盟国は13日に開いた閣僚理事会で、トルコとの加盟交渉を拡大せず、新たな分野の交渉を開始しないことを決めた。オーストリアが求めていた交渉そのものの凍結は見送ったものの、交渉の停滞がさらに深刻化することになる。

今回の決定は、トルコのエルドアン政権が7月のクーデター未遂事件を機に強権的な姿勢を強め、政府に批判的な多数の軍関係者、ジャーナリスト、クルド人指導者など拘束していることを受けたもの。欧州議会は11月、EUにトルコとの加盟交渉を一時凍結することを求める決議を賛成多数で採択していた。

トルコの人権抑圧に最も批判的なオーストリアは今回の理事会で、交渉凍結を主張した。しかし、他の加盟国は難民問題でトルコの協力が不可欠となっていることなどから、状況が改善されるまで新たな分野の交渉開始を認めないという妥協案で合意した。オーストリアは同決定に反発し、共同声明への署名を拒否した。

トルコのEU加盟交渉は2005年10月にスタートしたが、35の交渉分野のうち、これまでに交渉を開始したのは16分野にとどまり、交渉が完了したのは1分野だけとなっている。