2017/7/5

総合・マクロ

中欧・南東欧経済好調、東欧も成長に転換=RBI

この記事の要約

オーストリア大手銀行のライファイゼン・バンク・インターナショナル(RBI)は、6月28日に発表した最新の経済見通しで、中欧・南東欧・東欧の通期経済予測を引き上げた。ルーマニア、ポーランド、ハンガリー、チェコを中心に、国内 […]

オーストリア大手銀行のライファイゼン・バンク・インターナショナル(RBI)は、6月28日に発表した最新の経済見通しで、中欧・南東欧・東欧の通期経済予測を引き上げた。ルーマニア、ポーランド、ハンガリー、チェコを中心に、国内総生産(GDP)が予想以上の伸びを示しているためだ。そのほかの中東欧諸国も緩やかながら成長に向かっている。

中欧(チェコ、ポーランド、スロバキア、スロベニア、ハンガリー)では景況感が向上し、景気拡大が継続すると予測。個人消費、設備投資、輸出がいずれも増加し、バランスの良い成長が見込まれる。今年の予想成長率は従来の3.1%から3.6%、来年は3%から3.1%に方修正した。

南東欧(アルバニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ブルガリア、クロアチア、ルーマニア、セルビア)ではルーマニアとブルガリアの好調が続く一方、西バルカン諸国は減速気味だ。特にクロアチアは国内最大企業のアグロコルの倒産を受けて、今年の予想伸び率を従来の3.3%から2.9%に引き下げた。南東欧全体としては今年が3.7%から4.1%、来年が3.3%から3.5%に上方修正された。

東欧(ベラルーシ、ロシア、ウクライナ)では、ロシア経済が成長に転じた。成長予測は今年1.0%、来年1.5%と従来の値が維持されたものの、これを上回る可能性は十分ある。ベラルーシ経済も今年4月以降は拡大基調となっており、今年通期の成長予測は従来のマイナス0.5%からプラス0.5%へ引き上げられた。

一方でウクライナは、親露派勢力との戦闘が続く東部ドンバス地域の経済封鎖が見通しを暗くしている。今年の予測は従来の2%から1.5%へ引き下げられた。東欧全体では今年1%、来年1.6%となる予測だ。