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2014/8/20

企業情報

武田薬品工業―独で特殊薬販売強化へ―

この記事の要約

武田薬品工業がドイツで、投与対象が限られた特殊な医薬品の販売を強化する。利益率が高いためで、泌尿器科、呼吸器疾患、がん、外科、慢性大腸炎分野の製品を重点投入していく。独子会社、武田ファーマ・フェアトリープ(Takeda […]

武田薬品工業がドイツで、投与対象が限られた特殊な医薬品の販売を強化する。利益率が高いためで、泌尿器科、呼吸器疾患、がん、外科、慢性大腸炎分野の製品を重点投入していく。独子会社、武田ファーマ・フェアトリープ(Takeda Pharma Vertrieb)のジャンリュック・ディレイ社長が『フランクフルター・アルゲマイネ』紙に明らかにした。

降圧剤や糖尿病薬など需要が大きい医薬品は利益率が低く、後発医薬品の追撃も受けやすい。特殊な用途に限られた医薬品はこうしたリスクが低く、高い利益率が見込める。

武田の独売上高は昨年、2億5,000万ユーロ強(推定)で、特殊薬はその半分を占めた。同社は特殊薬の販売比率を拡大していく方針で、最近は慢性大腸炎であるクローン病と潰瘍性大腸炎の治療薬「エンティビオ」を市場投入した。

武田の独従業員数は現在1,700人(そのうち1,300人はオラニエン、ジンゲン両工場で生産に従事)。スイスの製薬会社ナイコメッド買収(2011年)に伴い大規模な人員削減を行ったが、今後は増やしていく考えだ。ジンゲンで約100人、オラニエンで最大160人を予定している。