配車サービス大手の米ウーバーが展開する格安サービス「ウーバー・ポップ」は違法だとして、ドイツのタクシー業界団体（独タクシー連盟）が提訴していた係争で、一審のフランクフルト地方裁判所は18日、原告勝訴判決を言い渡した。判決理由で裁判官は、同サービスの運転手は旅客輸送免許を取得していないにもかかわらず有料で輸送サービスを提供しており、旅客輸送法に抵触すると指摘。国内でのウーバー・ポップの提供を全面禁止すると言い渡した。ウーバーは控訴する意向だ。
同サービスではスマートフォンのアプリを使って乗客が輸送車両を手配する。ウーバーがタクシー会社と提携して運営する配車サービス「ウーバー・タクシー」、およびハイヤー会社と提携して提供する「ウーバー・ブラック」と異なり、自家用車を使った無認可の営業が可能。タクシーより料金が安いこともありタクシー業界の危機感は強く、世界中で係争が発生している。フランスでは政府が1月1日付で禁止した。
ウーバーはドイツではフランクフルトのほか、ベルリン、ミュンヘン、ハンブルク、デュッセルドルフでサービスを提供している。原告の独タクシー連盟が40万ユーロの担保を差し入れると、同社はドイツでウーバー・ポップを当面、提供できなくなる。同連盟はメディアの問い合わせに対し、「担保を速やかに差し入れる」意向を示した。
