レンタカー独最大手のジクスト(プルラハ・イム・イザールタール)は14日、リース子会社ジクスト・リーシングの新規株式公開(IPO)方針を発表した。同子会社の事業拡張資金を確保するとともに、主力のレンタカー事業を加速する狙いだ。
完全子会社ジクスト・リーシングのIPOを年内に実施する。ジクストはIPO後も最低40%の出資を維持するとしており、同子会社株50%以上を放出するとみられている。出資比率で40%以上保つのは同子会社を今後も実質的に支配するため。
IPOでは1億ユーロの資金を調達する。ジクストはIPOに先立って同子会社に3,000万ユーロを注入するとしており、これらの資金をジクスト・リーシングの事業強化に充てる意向だ。
ジクスト・リーシングの2014年の売上高は5億7,500万ユーロ(中古車販売を除くと4億2,790万ユーロ)。税引き前利益は12年以降、年率25%のスピードで拡大しており、14年は2,560万ユーロに上った。
リース市場は企業が社用車の管理・運営をリース会社に一任する動きを受けて拡大中。ジクスト・リースはソフト大手SAPがドイツで利用する社用車1万4,000台の管理を引き受けている。
ジクストは現在、欧州レンタカー市場で仏ヨーロッパカー、米エイビスに次ぐ3位につけており、同市場で2位浮上を目指している。11年に立ち上げた米国事業も強化する意向。リース子会社のIPOはジクスト本体の投資資金余力を高めるため、これら目標の実現に寄与する見通しだ。