携帯アプリを利用した配車サービスを手がける米ウーバー・テクノロジーがドイツで新サービス「ウーバーX」を立ち上げた。自家用車を使った無認可の輸送サービスが可能な「ウーバーポップ」に対し違法判決が出たことを踏まえたもので、ドイツの法令に抵触しないと強調している。
ウーバーポップでは、運転手は旅客輸送免許を取得していないにもかかわらず有料で輸送サービスを提供する。これを旅客輸送法違反としてタクシー業界団体(独タクシー連盟)が提訴していた係争で、一審のフランクフルト地方裁判所は3月、原告勝訴を言い渡し、国内での同サービスの提供を全面禁止した。
ウーバーはこれを受けて19日、フランクフルト、ハンブルク、デュッセルドルフ、ミュンヘンでウーバーXを開始した。数週間以内にベルリンでも立ち上げる予定。
同サービスでは輸送に用いる車両をすべてレンタカーとして登録し、保険もかける。運転手は全員、旅客輸送免許を持っており、フランクフルト地裁が指摘したウーバーポップの問題点をクリアしている。料金はタクシーよりも最大20%安く、タクシー業界は再び対応を迫られそうだ。