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2015/7/8

経済産業情報

下水からリンをリサイクル、パイロットプロジェクトが始動

この記事の要約

下水から農業肥料などとして利用されるリンを取り出すリサイクル施設が6日、ドイツ北部のハンブルクで稼働を開始した。同様の施設はベルリンやオッフェンブルクにすでにあるものの、ハンブルクのものは世界初の採算が取れる施設という。 […]

下水から農業肥料などとして利用されるリンを取り出すリサイクル施設が6日、ドイツ北部のハンブルクで稼働を開始した。同様の施設はベルリンやオッフェンブルクにすでにあるものの、ハンブルクのものは世界初の採算が取れる施設という。リン鉱石は将来的に枯渇するとの懸念もあり、リサイクルはそうした問題の解決につながると期待されている。

市営水道会社ハンブルク・ヴァッサーとリサイクル大手レモンディスが共同運営する。下水からリンを取り出す技術はレモンディが開発。ヘドロの灰から高純度のリン酸を抽出する。

リンは動物の代謝で重要な働きをしている。人の排泄物にも含まれていることから、下水には大量のリンが含有されている。

汚水には有害物質も含まれているため、これまでは焼却して灰にし、特殊なごみ処理場に埋蔵してきた。今後は取り出したリンを販売し、利益を上げることが可能になる。