米ネット通販大手アマゾンのオーディオブック配信子会社オーディブルが米IT大手アップルのコンテンツ配信サービス「アイチューンズ・ストア」向けに結んだオーディオブックの独占供給契約は独禁法違反の疑いがあるとして、独連邦カルテル庁は16日、調査を開始したことを明らかにした。違法性が確認された場合は問題行為の停止を命じることになる。
オーディブルは耳で聴く書籍であるオーディオブックの配信で約90％のシェアを持つ独占的な企業で、オーディオブックの出版社に対し大幅な割引を要求。受けを拒否する出版社の商品は取り扱い対象外とし、大きな圧力をかけている。アイチューンズ・ストア向けの独占供給契約はオーディブルの影響力を一段と強める恐れがあることから、危機感を持ったドイツ書籍取引協会（Boersenverein des Deutschen Buchhandels）は独連邦カルテル庁と欧州連合（EU）の欧州委員会に苦情を申し立てていた。同庁は今後、欧州委と密接に情報交換しながら調査を進めていく。メディア報道によると、同庁にはこの問題の調査権限があるかどうかが定かでなく、欧州委が調査を引き継ぐ可能性もあるという。
