「税・社会保険料負担の軽減を」、次期政権に主要経済研究所が提言

2017/10/04発行 No.1157号

記事分類:総合 - ドイツ経済ニュース

Ifoなど有力経済研究所は9月28日に公表した共同作成の「秋季経済予測」で、税・社会保険料負担の軽減を次期政権に提言した。堅調な経済と雇用の安定を背景に財政黒字の拡大が一段と進む見通しとなっているためだ。24日の連邦議会(下院)選挙を受けて政権協議入りする方向のキリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)と自由民主党(FDP)、緑の党の3会派はすべて納税者負担の軽減を公約に掲げていることから、政権樹立で合意すれば世帯の手取り収入は増加する公算が高い。

ドイツの財政収支は2014年に長年の赤字から黒字へと転換した。2000年代の構造改革で経済が活力を取り戻し、雇用の改善も進んだためで、同年の単年度財政黒字の対名目国内総生産(GDP)比率は0.3%に上った。同比率はその後、拡大を続けており、今年は0.9%、来年は1.1%、再来年は1.2%に上昇する見通しだ。政府債務残高の対GDP比率も昨年の68.3%から再来年には59%へと低下。ユーロ加盟国に義務づけられる同60%の上限枠を遵守できる見通しとなっている。

秋季予測はこうした事情を踏まえたうえで、勤労者の直接税・社会保険料負担が国際的にみて高いことを指摘。所得減税と社会保険料の見直しを次期政権に促した。社会保険料では特に、失業保険料で引き下げの余地があることを指摘した。雇用情勢の改善を受けて失業保険財政にゆとりがあるためだ。

一方、公的年金に関しては社会の高齢化が一段と進む見通しを受けて、中・長期的に財政が厳しくなることを指摘した。

生産年齢人口に対する老年人口の比率を示す老年人口指数は2000年の25%から現在は30%を突破した。30年には40%を超える見通しとなっている。年金制度は(1)支給水準を引き下げる(2)保険料を引き上げる(3)受給開始年齢を引き上げる――といった政策の導入が避けられない状況で、秋季予測は受給開始年齢や保険料の増額を被保険者が自ら決定できるようにすることを提言した。

今年のGDP成長率については春季予測(前回)の実質1.5%から1.9%へと引き上げた。経済が予想以上に良好に推移しているためで、来年についても1.8%から2.0%へと上方修正した。(下の表を参照)

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