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2014/7/30

経理の新情報

金融機関による海外口座の国際的な情報交換

この記事の要約

経済協力開発機構(OECD)は、現存する所管官庁協定(Competent Authority Agreement)と単一報告規格であるCRS(共通報告基準 Common Reporting Standard)に基づいて金 […]

経済協力開発機構(OECD)は、現存する所管官庁協定(Competent Authority Agreement)と単一報告規格であるCRS(共通報告基準 Common Reporting Standard)に基づいて金融機関が国際間で自動的に情報交換を行うことを目的とした方針を固めています。

海外の金融口座における脱税を防止することを目的としています。

銀行や証券会社、保険会社などの金融機関が顧客の以下に関するデータを管轄税務署に提供することが前提になります。

・氏名、住所、居住国、税番号、生年月日、生誕地

・口座番号

・金融機関の名称

・期末の口座残高、あるいは口座閉鎖の際の残高

・年間に支払った、あるいは・得た利息、配当金、有価証券のグロス売却利益など

条約に加盟した国の個人と法人の全ての金融機関の口座が対象となります。これには日本、ドイツなどのEU加盟国やスイスを含む50カ国が含まれ、この規格を国内の法律に適用させる意図を持っています。現在の進捗状況ですと2017年9月には、2015年12月31日時点での情報が初めて交換される予定です。

各国では、所得を海外の隠し口座に移して脱税するケースが後を絶ちません。このため、国内に住んでいない「非居住者」の口座情報を各国の税務当局が把握して、口座の名義人が実際に住んでいる国の税務当局に報告します。日本でも、非居住者の口座の残高、利子や配当の受取総額を国税庁が把握し、各国に報告できる体制が整います。