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2015/7/29

経理の新情報

顧客や従業員に贈り物をする際の所得税の一律化

この記事の要約

実際の経済活動で、取引先との関係維持のため、もしくは社内コミュニケーションの一環として取引先や従業員にギフトやベネフィットが提供されることがよくあります。このような企業から顧客や取引先の個人へのベネフィット、たとえばプラ […]

実際の経済活動で、取引先との関係維持のため、もしくは社内コミュニケーションの一環として取引先や従業員にギフトやベネフィットが提供されることがよくあります。このような企業から顧客や取引先の個人へのベネフィット、たとえばプライベートの理由をかねた出張や、スポーツ、文化イベントなどへの招待、商品券やワインの贈呈などは、企業の経費として控除される年間限度額35ユーロ以内のものであったとしても、所得税課税の対象になります。

この所得税申告義務を簡易化するため、贈答者である企業が所得税法第37b条の枠内で一括30%の源泉税(と連帯税、あるいは教会税)を肩代わりすることが出来ます。この場合、会計年度内の賃金税申告の枠組みの中で贈答品の総額が課税対象額となり、受贈者は受け取った贈答品を自己の所得税確定申告で現物給与として申告する必要はありません。

税務当局は所得税法第37b条に基づいて、一律課税に関して以下のように新たな見解を示しました。

・業務上の事由で発生し、受贈者が所得税納税義務がある場合のみベネフィットは原則的に一律課税の対象となります。海外在住の受贈者にはドイツの所得税は関係ありません。

・贈られるベネフィットが雇用者にとっても好都合である場合、たとえば従業員が会社のために取引先のあるイベントに参加する場合などには、所得税法第37b条の一括課税の対象とはなりません。

・税務当局の定める贈答品の最小限度額である(Bagatellgrenze)10ユーロ以内のサンプルや景品等は、連邦財務裁判所の判決に反して一律課税が適用されません。

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