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2023/5/5

東欧経済ニュース速報

ポーランドと日本が水素協力を強化、生産やサプライチェーン構築などで

西村康稔経済産業大臣は4日、訪問先のポーランド・ワルシャワで同国のアンナ・ モスクワ気候環境大臣と会談し、水素分野での二国間協力を強化することで合意し た。エネルギー、輸送、暖房、製造などの産業分野における持続可能で値ごろな水 素のサプライチェーンの構築や、グリーン水素の生産で緊密に協力する。 世界の水素市場は2028年に2,200億米ドル規模に達すると見込まれている。モスク ワ大臣は今回の合意について「日本企業によるポーランドや欧州の一部の水素セク ターへの投資を後押しするとともに、ゼロエミッションの実現に向けた国際協力に 関与するポーランドの存在感を高めると確信している」とコメント。「ポーランド は水素利用の取り組みに積極的に参加したいと考えており、水素生産で地域をリー ドしている」と強調した。同国の水素生産量は年間130万トンで、世界で5位、欧州 連合(EU)では3位につける。 同大臣はまた、日本が持つ二酸化炭素(CO2)の回収・貯留(CCS)技術に「強い関 心を持っている」と述べた。 両国の当局者はこのほか、ポーランド国立原子力研究センター(NCBJ)と国立研究 開発法人日本原子力研究開発機構(JAEA)による高温ガス冷却炉(HTGR)の共同開 発プロジェクトを含む、「原子力エネルギーの成長のための革新的なソリューショ ンの確立に向けた協力の選択肢」についても話し合った。