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2020/3/5

ドイツ経済ニュース速報

新型コロナでサプライチェーン寸断も、独機械業界が懸念

ドイツ機械工業連盟(VDMA)は5日、新型コロナウイルスの感染が流行する中国で生産活動が大幅に落ち込んでいることに懸念を表明した。ドイツの機械メーカーが製造に必要な部品を確保できなくなる可能性があるためで、顧客に製品を引き渡せない事態も起こり得るとしている。 ドイツ製機械は価値ベースでその約4分の1を外国製部品に依存している。中国製部品の割合は3〜4%となっている。VDMAのラルフ・ヴィーヒャース主任エコノミストは「これ(中国製部品の割合)は一見、低く見えるが、グローバルなバリューチェーンは緊密に絡み合っている」と指摘。例えばこれまで中国メーカーから調達してきた高度な制御ユニットが入手できなくなり、他のメーカーの製品に切り替えることもできない場合、ドイツの機械メーカーは製品を製造できなくなると説明した。 VDMAが同日発表した独業界の1月の新規受注高は前年同月比で実質7%増加した。数件の大型受注で水準が押し上げられたという事情があり、景気回復の兆しは依然として出ていないとしている。国内受注が11%、ユーロ圏外が8%増加。ユーロ圏(ドイツを除く)は4%落ち込んだ。 新規受注を特殊要因によるブレが小さい3カ月単位の比較でみると、昨年11月〜今年1月は前年同期を実質5%下回った。国内が3%、ユーロ圏が8%、ユーロ圏外が5%の幅で縮小した。