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2021/2/1

ドイツ経済ニュース速報

バイエルがキュアバックとの協業をワクチン生産にも拡大

製薬大手の独バイエルは1日、新型コロナウイルス用ワクチンの分野で独バイオ医薬品企業キュアバックとの協業を拡大すると発表した。コロナワクチンの不足がドイツを含む欧州で大きな政治・社会問題となっていることを踏まえたもので、同ワクチンの生産でもキュアバックを支援する。 バイエルは1月上旬、新型コロナワクチンを開発中のキュアバックを支援することで合意した。キュアバックは事業規模が小さく、医薬品の認可手続きに不慣れなうえ、輸送能力も限られることから、これらの分野でノウハウや高い能力を持つバイエルの協力を受け、ワクチンの速やかな承認獲得や供給を実現する狙い。具体的には、バイエルは◇キュアバックのワクチン開発と承認申請、副作用情報などを収集・評価する医薬品安全性監視(PV)、輸送などで支援を行う◇欧州域外の国で医薬品市販承認取得者(MAH)となるオプション権を持つ――を取り決めた。 両社は今回さらに、バイエルがキュアバックの新型コロナワクチンを生産することで合意した。バイエルは独西部のブッパータールにある閉鎖中の工場を再稼働させるなどの措置を通し、2022年にワクチン1億6,000万回分を生産する。早ければ今年末から供給を開始できるとしている。ノルトライン・ヴェストファーレン州政府はブッパータール工場の再稼働に向けた認可に迅速手続きを適用することで側面から支援する意向だ。 キュアバックは同日、ワクチンを今年は最大3億回分、来年は最大10億回分、生産する意向を表明した。