EU統計局ユーロスタットが11月29日発表した同月のユーロ圏のインフレ率（速報値）は前年同月比0.9％となり、前月の0.7％から0.2ポイント上昇した。インフレ率の上昇は6月以来。なお欧州中央銀行（ECB）が上限目標値とする2％を大きく下回っているものの、前月の急低下によって浮上していたデフレ懸念は後退し、ECBに追加利下げを求める圧力は弱まりそうだ。
\インフレ率の上昇は、エネルギー価格のマイナス幅が前月の1.7％から1.1％に縮小したのが主因。サービス分野の上げ幅も1.2％から1.5％に拡大した。食品・アルコール・たばこの上昇率は1.9％から1.6％に縮小した。価格変動が激しいエネルギー、食品、アルコール・たばこを除いた基礎インフレ率は1％で、前月から0.2ポイント上昇した。
\ユーロ圏のインフレ率は10月、前月の1.1％を0.4ポイント下回る0.7％に縮小し、2009年11月以来4年ぶりの低水準となった。これを受けてECBは11月7日、ユーロ圏17カ国に適用される最重要政策金利を年0.5％から0.25ポイント引き下げ、過去最低の0.25％とすることを決めていた。
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