イタリア政府は19日、新型コロナウイルス感染による死者が前日から427増え、3,405人に達したと発表した。新型コロナでの死者数としては、中国の3,245人を超え、世界最多となった。その後も死者が急激に増え、22日には5,000人を超えた。
イタリアでは2月下旬から北部を中心に新型コロナの感染が急速に拡大。政府は全土で移動を制限するなど厳しい封じ込め対策を講じているが、感染者が増え続けている。
同国で死者が続出しているのは、高齢者が多く、しかも感染者の急増に病院の対応が追い付けない「医療崩壊」が起き、十分な治療ができないことが背景にあると指摘されている。
同国の新型コロナウイルス感染による死者は19日以降も増え続け、20日は前日比627人増の4,032人に拡大。1日の増加数としては過去最多となった。21日は793人増の4,825人で、過去最多を更新。22日には5,476人まで増えた。増加数は651人と、前日を下回ったが、依然として高水準にある。22日時点の感染者数は5万9,138人で、前日から10.4％増えた。
一方、欧州全体でも新型コロナウイルスの感染が急拡大している。死者がイタリアに次いで多いスペインが22日に発表した死者は1,720人で、前日から394人増加。フランスは22日に新たに112人が死亡し、死者数は674人に達した。英国は22日時点で48人増の281人となっている。
EU機関の欧州疾病予防管理センターがまとめた22日時点のEU27カ国と英国、ノルウェー、リヒテンシュタイン、アイスランドでの感染者は14万1,858人、死者は7,319人。ただ、中央ヨーロッパ時間（CET）の22日午前10時までに各国当局から集めた情報に基づくもので、イタリア、スペイン、フランスなどの最新データは反映されていないため、実数はさらに多い。
