トルコ航空がポーランド国営航空LOTの買収に向け、ポーランド政府と協議を開始したもようだ。日刊紙『ジェチポスポリタ（Rzeczpospolita＝RZ）』紙などが2月26日付で伝えた。LOTは経営難が続き、政府が保有株の売却を模索していた。トルコ航空は欧州事業の拡大を目指しており、取引は両者の思惑が一致した形となる。
\ポーランド国有財産省のGawlik副大臣はこれに先立ち、「LOTに関心を示している企業が3社あり、うち2社が航空他社」と明らかにしていた。『RZ』紙によると、この1社がトルコ航空。ただ、ポーランドの現行法でLOT株式の政府保有比率を50％以下に引き下げることが禁じられているため、政府はトルコ航空と折半でLOTを運営する合弁会社を設立する案などを検討している。この案が実現すれば、LOTは引き続きワルシャワを拠点とし、トルコ航空とともにコスト削減や航空料金の引き下げに取り組むという。
\LOTは格安航空会社を交えた競争の激化で、09年の国内市場シェアが3年前の44％から28％に激減。08年に7億3,300万ズロチの赤字となったのに続き、09年上期も1億7,800万ズロチの赤字を計上した。
\一方、トルコ航空は不況で航空他社が苦しむなか、09年の利用者数が前年比で2けたの伸びを達成。19億米ドルの現預金を持ち手元資金も豊富で、オーストリア航空の買収に乗り出した過去もある。同社の昨年の利用者数は2,600万人と欧州7位の水準だが、LOTの買収または提携で、独ルフトハンザ、英ブリティッシュ・エアウェイズ、仏蘭エールフランス＝KLMに次ぐ航空連合への脱皮を図るという。LOTの昨年の利用者数は約360万人。
\LOTとトルコ航空は同じ航空連合「スターアライアンス」に属しており、LOTのミコシュ社長は「トルコ航空の社長とはスターアライアンスの会合で何度か話したことがあり、好感を持っている」とトルコ航空への協力に肯定的な反応を示した。だが、LOT従業員の間では、ミコシュ社長が昨年、LOTの地上サービスを担当する子会社LOTグランドサービスについて、全資産を別会社に移したうえで従業員を大幅に削減する大ナタを振るったことから、同社長がトルコ航空との統合を機に人員削減を進めるのではないかとの警戒感が生まれているという。（1PLN＝30.6JPY）
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