欧州連合（EU）の研究開発プロジェクト。自動車の後面衝突時の乗員の安全性を高めるため、既存の後面衝突テストの試験プロセスやデータを見直し最終的にはシート構造などに関するガイドラインの改定作業に反映させることを目的とする。期間は2009年10月～2013年4月まで。自動車メーカーやシートメーカー、保険会社、研究機関が参加している。
\ \追突事故でむち打ち症となるリスクは女性の乗員の方が高いにもかかわらず、従来の後面衝突テストは男性のダミーモデルを使用して実施されてきた。「ADSEAT」では、より体格の小さい乗員にも配慮したテスト基準を研究し、提唱することを目指す。
\ \同プロジェクトは5つの作業グループ（WP1～5）によって構成されている。WP1は現状（既存データ）の分析、WP2は後面衝突時の女性と男性乗員の相違点の分析、WP3は女性ダミーモデルの開発、WP4では女性ダミーモデルを使用したコンピューターシミュレーションによる男性と女性の違いを調査する。最終段階のWP5では、それまでの結果を踏まえ新しいソフトウエアを開発し、シート構造の改良により後面衝突時の乗員の安全性を高めることを目指す。
\ \女性をモデルにした後面衝突用ダミーモデル（Bio-Rid II）の開発では、独DYNAmoreとドイツ自動車工業会（VDA）の下部組織である自動車工学研究協会（FAT）がこのほど、「Eva-Rid」と名付けられた女性モデルを発表している。
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