ドイツのミュンヘン工科大学（TUM）とシンガポールの南洋理工大学（NTU）の共同プロジェクトであるTUM CREATEが開発した電動タクシーのプロトタイプ。超高速充電システムにより15分の充電で200キロメートルを走行できる。電力消費を抑えるため、乗員が座っている場所を局所的に冷却する空調システムが装備されているのも特徴。同モデルは11月22日～12月1日まで東京モーターショーで公開されている。
\ \TUM CREATEでは、高温多湿な熱帯地域で使用することを想定した電動タクシーを開発した。充電時間が15分と短いため、ドライバーの休憩時間中に充電し、長距離を走行できる。また、シート表面の湿気と熱を供給するシステムや、乗員の頭上に通気口を設けたパーソナルオーバーヘッド空調システムを導入した。
\このほか、乗員の携帯端末から空調システムやオーディオシステムなどの車載機器を調整できるシステムも装備している。
\ \シンガポールの保有台数に占めるタクシーの割合は3％以下にとどまるが、走行距離では全体の15％を占めているという。また、1日当たりの平均走行距離は、二交代制で500キロメートルを超えるという。このため研究チームは、電動タクシーが実用化されれば環境負荷低減への効果も大きいと見込んでいる。
\ \TUM CREATEは、急速に人口が増加している熱帯地域の大都市に適した未来の輸送コンセプトや電気自動車のアプリケーションを研究しており、100人を超える研究者やエンジニアが、蓄電池の新たな材料や電気自動車のデザイン、シミュレーション、輸送システムの設計などの分野に取り組んでいる。シンガポール国立研究財団（NRF）の資金援助を受けている。
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