2010/1/18

競争法

テロ保険に対するデンマークの政府保証を承認

この記事の要約

欧州委員会は13日、デンマークが核兵器や生物兵器、化学兵器、放射線兵器を使ったテロ(NBCRテロ)による損害を補償する損害保険に対して、政府が保証を提供することを承認した。NBCRテロへの対応は民間保険会社だけでは不十分 […]

欧州委員会は13日、デンマークが核兵器や生物兵器、化学兵器、放射線兵器を使ったテロ(NBCRテロ)による損害を補償する損害保険に対して、政府が保証を提供することを承認した。NBCRテロへの対応は民間保険会社だけでは不十分で、政府による保証供与が適切と判断した。

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NBCRテロのリスクに対しては再保険市場が未発達のため、デンマークでこうした保険を提供しようとすれば保険会社は十分な再保険を確保できない。そこでデンマーク政府は事前に取り決めた最低補償額以上について、政府保証を提供する制度を導入することを計画している。

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この最低補償額は毎年見直され、当初は50億クローネでこれを超える150億クローネ分までを政府が保証する。デンマークだけでなく外国の保険会社も対象となり、各社は政府保証に対して手数料を支払う。現行の手数料は保証額の0.15%だが、最低補償額の水準によって変更される。また政府保証に基づいて支払いが発生した場合には、政府はこれを全保険契約者から課徴金の形で長期にわたって回収する。

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欧州委の調査の結果、この公的支援は適切かつ不可欠なもので、NBCRテロに対する不十分な補償を補完するものであることが判明した。また、NBCRテロ補償の市場が発展し再保険が可能となれば政府保証の最低補償額も引き上げられ、最終的に保険会社にとっては手数料支払いを勘案すると政府保証を受けることが不経済となるため、民間の保険市場を圧迫しない制度となっていることもわかった。このため保険市場の競争に与える影響は限定的であり、同制度の導入に問題はないと判断した。

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