欧州委員会は20日、ベルギーの保険大手エシアスに対する同国政府による15億ユーロの公的資金注入を承認した。同社の再建計画が適切であるとともに公的支援による競争への影響にも対応していると判断した。
\エシアスは2008年の金融危機で、資金が大量に流出して資金繰りに行き詰まったため、政府は15億ユーロを注入した。欧州委は同救済措置について2009年2月、ベルギー政府がエシアスの再建計画を提出することを条件に暫定的に認めたが、救済額が企業規模に比べて極端に大きかったことから徹底した再建が求められていた。
\再建計画でエシアスは一般向けの生命保険から撤退するほか投資内容を安定度の高い資産に再配分し、今後の投資方針は新たなリスクコントロールとリスクの多様化に基づくものとなる。また再建コストに充当するため、再保険子会社のベルレを売却するとともにコスト削減も進める。同社は政府からの資本注入を受け入れるため、すでに相互会社から有限責任会社に転換している。
\さらに計画では、ベルギーの保険子会社の売却や保険商品の価格設定に関する約束など競争面での影響を抑える取り組みも行われていることから、欧州委は公的資金の注入に問題はないと判断した。なお、こうした再建計画により同社の2013年末の資産規模は新たな成長分を含めても2008年末時点の38％に圧縮される予定だ。
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