価格を巡る意見の対立から難航している中国とロシアの天然ガスの輸入交渉を巡り、中国国家エネルギー局（NEA）の高官は3日、ロイター通信に対し「交渉は継続中だ」と述べ、合意に達したとの中国国営新華社通信の報道を否定した。
\新華社は2日、NEAの張国宝局長の話として、天然ガスの輸入価格と供給条件で中国とロシアが暫定合意に達したと報じた。ロイター通信によると、NEA高官は「価格フォーミュラ（価格の決定方式）などごく一部の項目でコンセンサスはあるものの、具体的な価格水準は決定していない」と述べ、報道内容を否定。ロシアのガス独占企業ガスプロムも声明で、価格決定の基本方針などについて合意した段階であり、具体的な価格条件の決定に向け交渉は継続中だと発表した。
\ロシアは09年10月、中国と天然ガス供給契約を締結した。14～15年をめどに、シベリアと極東のガス田から年間最大700億立方メートルを輸出する計画だが、輸出価格を欧州向けと同水準に設定したいロシアに対し中国側は価格引き下げを主張して譲らず、交渉は暗礁に乗り上げている。
\専門家は、世界的に天然ガスが供給過剰傾向にある中、中国がロシアの要求額を受け入れる可能性は低いと指摘。一方、主力の欧州向け輸出が減少しているロシアにとって中国は最も有望な顧客であり、ロシア側が譲歩を迫られる可能性が高いとみている。
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