オーストリアの大手繊維メーカーのLenzing（レンチング）はこのほど、同国のハインツ・ホールディングからチェコ東部のパルプ会社Biocel Paskovの株式75％を取得すると発表した。買収額はBiocelの利払い・税・償却前利益（EBITDA）の6～7倍になる見通しで、換算すると約8,000万ユーロとなる。最終的な金額は5月半ばに決定するという。買収成立には独禁当局の承認が必要となる。
\レンチングは今後3年間で、オストラヴァ近郊にあるBiocelの工場に5,000万ユーロを投資し、生産拡大とエネルギーの効率化を進める計画。製紙用パルプの年産量を現在の28万トンから30万トンに引き上げるとともに、中長期的にはレンチングの繊維製品の原料となるパルプ（セルロース）生産も予定している。セルロースの価格はここ半年で50％上昇しており、Biocelで生産することで短期的な価格変動に対応したい考えだ。
\Biocelの従業員は約380人。昨年の売上高は約1億1,400万ユーロだった。同社の残り株式25％はハインツ・ホールディングが引き続き保有する。
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