ポーランド保険最大手PZUは4月29日、ワルシャワ証券取引所（WSE）への新規上場（IPO）に伴う株式の売り出し価格を、仮条件上限の1株当たり312.5ズロチに決定したと発表した。市場からの調達額は81億ズロチとなり、WSE開設以来、最大の規模となった。時価総額はWSE上場企業のなかで6番目に達し、同証取は5月14日の上場後数日で主要指標であるWIG-20の構成銘柄に採用する見通しだ。
\PZUのIPOにあたり、政府が19.9％、蘭保険大手ユーレコが10％の株式を放出する。国有財産省によると、機関投資家からの申込株数は割当数の9倍に及んだほか、個人は25万人以上が応募し、それぞれ過去最高を記録したという。銀行大手Bank ZachodniはPZU株に人気が集中した理由について、中東欧の競合企業ウィーン保険グループ（VIG）の株価収益率が12.4倍であるのに対し、PZUの売り出し価格は10.3倍と割安感がある点を指摘。アナリストの多くが、上場後数日間で20％程度値上がりすると予測する。
\ただ、短期間で利益を確定させようとする傾向の強い個人の少数株主が多いため、当初の株価は乱高下すると見る向きもある。今年1-3月の純利益も前年同期比で約3割減の8億740万ズロチに縮小し、業績の先行きに不安があることも懸念材料だ。（1PLN＝31.2JPY）
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