ハンガリーのオルバン次期首相は3日、新内閣の閣僚名簿を発表した。首相を除く10人の閣僚のうち、経済、外務、内務、官房長官の主要4ポストをオルバン氏が前回首相を務めた1998～2002年の閣僚経験者で占めるなど、側近で固めた陣容。14日に予定される議会承認を経て、新内閣は正式に発足する。
\指名を受けてさっそく記者会見に臨んだMatolcsy次期経済相は「年内に減税を実施する」と宣言。このほか、◇行政手続きの簡略化◇完全雇用の促進◇欧州連合（EU）基金の効果的利用と中小企業に対する補助金の引き上げ◇30年後に先進国に追いつくための先進技術開発支援――に取り組むと約束した。
\また、現政権が約束した今年の財政赤字水準（対GDP比3.8％）は「実現不可能」と従来の主張を繰り返し、「財政赤字はGDP比4.5～6.5％になる。この水準なら、国際通貨基金（IMF）、EUも受け入れるはずだ」との見解を表明。来年以降は経済成長を目指すとともに厳格な財政規律を採用し、財政赤字をGDP比で年0.5～1％ずつ縮小させる方針も打ち出した。ユーロ導入見通しについては、来年末までに信頼に足る計画を発表するとしている。
\次期政権を担当するフィデス＝ハンガリー市民同盟（FIDESZ）党内では、シモル中銀総裁の辞任を求める声が高まっている。これについて次期経済相は「ハンガリーには経済政策の転換が必要だ」と述べ、辞任要求に同調する姿勢を示した。
\同国では4月に2回にわたって行われた議会総選挙で、フィデスが議席の3分の2以上を獲得し圧勝。フィデスのオルバン党首がショーヨム大統領に首班指名を受け、組閣作業を続けていた。
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