スロバキアのガシュパロビッチ大統領は23日、中道右派政党「民主キリスト教連合（SDKU-DS）」のラディツォバー党首に組閣を要請した。組閣期限は7月8日だが、SDKUはこれまでに同じ中道右派の「自由と連帯（SaS）」、「キリスト教民主運動（KDH）」、「懸け橋（Most-HID）」の3党と連立で合意し、議会内過半数を確保。ラディツォバー党首の首相承認は確実で、同国初の女性首相が誕生することになる。
\SDKUは11日に行われた議会総選挙で、フィツォ現首相率いる「方向党（Smer）」に敗れ、議会内第2政党に転落。選挙結果を受けてガシュパロビッチ大統領は当初、フィツォ氏に組閣を要請した。
\ところが、Smerは現政権で連立を組む国民党（SNS）、「民主スロバキア擁護運動（HZDS）」が大きく議席を減らしたうえ、中道右派各党から協力を拒否され、過半数の確保に難航。フィツォ氏は大統領に対し、組閣を断念すると明らかにしていた。
\一方、ラディツォバー党首は新内閣の課題として、財政健全化や健康福祉改革、労働政策の柔軟化、ビジネス環境の改善などを挙げ、「責任ある内閣になる」と宣言した。スロバキアは2002～08年まで年4～10％の高い経済成長を実現したが、世界的な不況から昨年はマイナス4.7％と後退。歳入も落ち込み、単年度財政赤字は国内総生産（GDP）比6.8％に膨らんだ。財務省は、今年の財政赤字が当初の予測のGDP比5.5％から7％以上に達するとの見通しを明らかにした。
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