中欧の中古車販売会社AAAオートが5月26日発表した2011年1-3月期の連結決算（国際会計基準：IFRS、未監査）は、純益が前年同期比45.1％増の69万ユーロに急増した。自動車の売れ行きが改善したためで、売上高で61.2％増の6,330万ユーロを計上した。このうち自動車販売は4,980万ユーロと67％の増加を示した。販売台数は37％増の1万1,051台だった。
\粗利益は42.4％増の1,420万ユーロに拡大したが、粗利益率は2.9ポイント減の22.5％に縮小した。自動車の需要が一時的に増加し、それに対応するためのコストがかさんだためだ。現在では以前の水準に回復しているという。
\営業経費は51.2％増の1,150万ユーロに膨らんだ。しかし、売上高の伸び率を下回ったため、売上高営業費用率は18.1％と前年同期の19.3％、2010年通期の20.4％から改善した。人件費は72％増の620万ユーロだった。
\営業利益（EBITDA）は16.9％増の290万ユーロ、税引き前利益は18％増の130万ユーロへ拡大した。また、期末時点の資産総額は1,510万ユーロで、前期末から4.5％増加した。
\ \■ロシア市場に再進出、ハンガリーは2、3年後に
\ \AAAオートは今夏、ロシア市場に再進出する。2008年に進出した際は経済危機による需要減少で撤退を余儀なくされたが、今年3月の重役会で再参入を決定した。ロシア日刊紙『ベドモスチ』によると、AAAはモスクワ郊外のシチェルビンカに店舗を開設し、9月に営業を開始する計画。まず、在庫は200～300台でスタートし、最終的には1,000台に引き上げるという。
\ロシアの中古車販売市場では、メーカー系列の正規ディーラーとAAAのような中古車専門店のシェアは各5％にすぎない。残りは個人取引で、正規ルートの需要開拓の余地は大きい。自動車市場調査会社のAvtostatによると、ロシアの昨年の中古車販売台数は411万台。モスクワではすでに正規販売店による中古車販売が増加しており、昨年の正規ルートの販売台数は5万2,000台でシェア20％を占めた。
\AAAオートはまた、ハンガリー市場への再進出の時期について、経済の回復を待つとして、2～3年後になるとの見通しを示した。ブダペスト証券取引所（BSE）での上場廃止はないという。同社は1年前にハンガリー経済の不振と需要低下を理由に、同国から撤退した。現在はチェコとスロバキアで事業を展開している。
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