リトアニア統計局は29日、2011年4-6月期の国内総生産（GDP）が前年同期に比べ6.3％拡大したと発表した。先月28日の速報値を0.2ポイント上回り、欧州連合（EU）加盟国中、エストニアに次ぐ2番目に高い数値を記録した。季節調整値では前期比0.4％の伸び。すでに中央銀行とスウェーデンのスウェドバンクが見通しを上方修正するなど、経済の好調が明確となっている。
\消費の回復と建設業の好調が成長をけん引した。GDPの65％を占める輸出は前期比11％増、同20％を占める鉱工業生産は10.4％増だった。
\建設業の生産高は前年同期比16.3％と大きく伸長した。製造業も9.3％増加。家計消費支出は6.7％拡大した。総固定資本形成は23.1％の急増を示した。
\4-6月期の小売売上高は前年同期から23.9％拡大した。隣国ベラルーシの需要拡大で自動車売上高が前年の3倍に急増したのに加え、燃料や食料品の支出が伸びた。
\スウェーデン・ノルデアバンクの証券子会社ノルデア・マーケッツでは、「個人消費が力強く伸びた。一方で、輸出・輸入は減速したものの、十分な水準を確保した」と分析する。その上で、今年の成長率が6％前後に達するとの見方を改めて確認した。今後については、「世界経済の減速がリトアニアにも波及する。比較基準となる今年の実績が高水準であることなども加味すると来年の成長幅は今年より小さくなる」とみる。
\リトアニア中央銀行は今月11日、今年の経済成長予測を5月時点の5.6％から6.2％に引き上げた。来年については4.8％に減速するとの立場だ。
\スウェドバンクも23日に今年の成長見通しを従来値より2.1ポイント高い6.3％に修正している。
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