2011/8/31

ロシア

露鉄鋼大手3社のQ2決算、原材料価格で明暗

この記事の要約

ロシアの鉄鋼大手3社が25、26日に発表した今年4-6月期の連結決算は、原材料価格の上昇が明暗を分けた。コークス炭や鉄鉱石資産を保有し原材料の自給率の高い最大手セベルスタリの同期の純利益は前期比15.8%増の6億200万 […]

ロシアの鉄鋼大手3社が25、26日に発表した今年4-6月期の連結決算は、原材料価格の上昇が明暗を分けた。コークス炭や鉄鉱石資産を保有し原材料の自給率の高い最大手セベルスタリの同期の純利益は前期比15.8%増の6億200万米ドル。前年同期の1億9,200万ドルからは3倍以上に拡大した。一方、マグニトゴルスク・スティール(MMK)の純利益は原材料高が響き、前期の1億3,400万ドル、前年同期の5,300万ドルから1,300万ドルに減少した。ノボリペツク製鉄(NLMK)も原材料価格の高騰に苦しんだが、生産コストの削減に努め、前期比50%増、前年同期比28%増の5億8,700万ドルの純利益を上げた。

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セベルスタリの4-6月期の利払い・税・償却前利益(EBITDA)は前期比18.7%増の11億900万ドル。EBITDAマージンは25.1%から25.3%に改善した。なかでも原材料部門はEBITDAが47.1%増の4億7,500万ドル、同マージンが5ポイント増の47.3%と大幅に上昇した。北米の不採算事業(製鉄所3社)の売却も奏功した。売上高は43億8,800万ドルだった。また、上半期ベースでは、売上高が前年同期比27.1%増の81億1,000万ドル。EBITDAは34.5%増の20億4,300万ドルで、純損益は5億9,300万ユーロの赤字から11億2,200万ユーロの黒字に転換した。

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MMKの4-6月期の EBITDAは原材料高が響き、前期比6%減の3億8,000万ドルに減少。上半期全体でも3%減の7億8,300万ユーロだった。ただ、高付加価値製品の売上は好調で、4-6月期は前期から12%、上半期は前年同期から33%増加した。また、売上全体に占めるシェアもそれぞれ38%、37%となった。

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NLMKの4-6月期の EBITDAは前期比43%増の8億3,700万ドル。同マージンは3ポイント増の28%に改善した。上半期のEBITDAは前年同期比23%増の11億6,100万ドル、マージンは3ポイント減の27%だった。

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■下期は鉄鋼価格の上昇を予測

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今後の市場動向について、MMKは鉄鋼価格も需要も回復すると予測。セベルスタリも「鉄鋼価格は5月以来大幅に下落し、6、7月、そして現在が最低水準だ」とし、上昇に転じるとの見通しを示した。7-9月期の鉄鋼需要も設備投資の回復と季節要因による建設事業の増加で堅調に推移すると見込んでいる。

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