欧州復興開発銀行（EBRD）は16日、5月の大洪水により深刻な被害を受けたセルビアとボスニア・ヘルツェゴビナに対する金融支援策を発表した。
セルビアには、公共部門による復興作業を支援するため最大で3億ユーロを供与するほか、中小地方自治体のインフラ復旧を支援するため1億ユーロを地方自治体インフラ開発基金を通じて提供する。また、民間企業に対し、企業拡大基金（ENEF）やローカル企業ファシリティ（LEF）を通じて直接、あるいは現地の提携金融機関を通じて融資を行う。セルビア政府によると、洪水による経済被害額は15億ユーロ。特にエネルギー、農業分野の被害が深刻で、現在でも電力不足が続き、1万5,000ヘクタールの農地が耕作不能となっている。
ボスニア・ヘルツェゴビナには、公共部門に5,800万ユーロ、中小地方自治体のインフラ復旧を支援するため1億ユーロをそれぞれ供与するほか、民間企業向けにも融資を行う。ボスニア・ヘツェゴビナでは農業と運輸部門の被害が深刻で、経済損失は20億3,000万ユーロにのぼると推定されている。
