欧州委員会は2月26日、ロシアが冷蔵庫など欧州連合（EU）の一部の製品に高い関税を課しているとして世界貿易機関（WTO）に提訴している問題で、WTOに紛争処理小委員会（パネル）の設置を要請したことを明らかにした。
問題となっているのはEU製の冷蔵庫、紙製品、パーム油などに対する関税。EUはロシアの関税率が、同国が2012年にWTOに加盟した際に合意した水準を上回っているとして、昨年10月に提訴。双方はWTOの紛争処理手続きの第1段階とて当事者間協議を行ったが、60日以内に解決できなかったため、EUはWTOにパネル設置を要請した。
EUとロシアの通商紛争は、ウクライナ問題をめぐる対立などで激化しており、EUは今回の案件のほかドイツ、イタリア製の軽商用車に対する反ダンピング措置、EU製の新車と中古車への廃車処理税、EU産の青果や肉類、乳製品などの輸入禁止を不当として、WTOに提訴している。
