バイオ医薬品大手の米Amgen（サウザンドオークス）は1月26日、独米系の同業Micrometの買収に向けて株式公開買い付け（TOB）を実施すると発表した。がん治療薬事業を強化する狙い。TOBはMicromet経営陣の支持を受けている。買収手続きは第1四半期中にも終了する見通しという。
\Micrometの株主に対し1株当たり11ドルを支払う考え。これは前日終値を3分の1上回る水準で、買収金額は最大11億6,000万ドルとなる。ドイツのバイオ企業を対象とした買収では過去最高の額だ。
\Micrometはがん研究用の抗体開発に特化したバイオ企業で、1993年にミュンヘン大学からのスピンオフとして設立された。米同業のCancervaxと2006年に合併した際に本社を米国に移し、米ナスダックで株式公開した。業務上の中核機能はミュンヘンにあり、全従業員240人のうち200人は同地で働く。AmgenはTOBの成功後もミュンヘンの従業員の大半を継続雇用する考え。
\MicrometはAmgenのほか、Bayer、Behringer Ingelheim、Merck、Sanofi、武田薬品工業の欧州子会社Nycomedと事業提携している。Amgenの欧州事業を統括するカーステン・ティール氏は『ファイナンシャル・タイムズ（ドイツ版）』紙に対し、既存の提携はすべて継続する考えを明らかにした。
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