自動車大手の独Volkswagen（VW、ヴォルフスブルク）がポーランド西部のポズナンにトランスポーター「Crafter」の工場を建設するとの観測が浮上している。22日付『フランクフルター・アルゲマイネ（FAZ）』紙が報じたもので、3月13日の記者会見までに正式発表する見通しという。広報担当者は同紙に「様々な国が選定候補に上がっている」と述べるにとどめ、建設予定地の具体名を明らかにしなかった。
\CrafterはDaimlerの「Sprinter」とプラットフォームを共有する姉妹車で、2006年からDaimlerの独ルートヴィヒスフェルデ、デュッセルドルフ両工場で生産している。だが、VWは商用車分野でDaimlerを抜いて世界最大手になるとの目指を実現する一環として大型トランスポーターの独自開発車を持ちたい考えから、昨年9月、DaimlerへのCrafter生産委託を16年半ばまでに打ち切ることを取り決めた。
\このため、生産委託の打ち切りまでに独自のCrafter工場を設置する必要があり、ポズナンに白羽の矢を立てたという。同地を選定した理由としてFAZ紙は◇すでにVWの商用車工場があり、「Caddy」「T5」を生産している◇ポズナン近郊のサディには商用車子会社MANのバス工場があり、Crafterの車台を利用して小型バスを生産できる◇ベルリンとワルシャワを結ぶ高速道路が走っている――を挙げた。ポーランドの交通インフラ事情は12年のサッカー欧州選手権で大幅に改善され、同国に対する国外投資家の評価が上昇しているという。
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