保険大手の独Ergo（デュッセルドルフ）は20日、シンガポールの損害保険会社SHC Insuranceを買収することで合意したと発表した。東南アジア市場で存在感を高める戦略に基づく措置で、今後はシンガポールを同市場のハブ拠点をして活用していく考えだ。買収金額は約6,600万ユーロ。取引はすでに現地金融監督当局の承認を得ており、今後SHC Insuranceの親会社であるSHC Capital Asiaの株主の了承を経て成立する。
SHC Insuranceは保険料収入が4,500万ユーロで、シンガポールの損保市場で14位につけている。約500万ユーロの利益を計上しているという。
Ergoはすでにベトナムに進出、同国のGlobal Insurance Company （GIC）に35％出資している。今後はインドネシア、マレーシア、タイ、フィリピンにも進出する考えで、シンガポールをこれらの国の事業の統括拠点にする方針だ。
シンガポール政府は2020年までに同国をロンドンに匹敵する保険市場の国際センターに育て上げる方針を打ち出しており、同社はこれを追い風に利用する。
