欧州自動車工業会（ACEA）は5月20日、2017年に導入が予定されている実際の走行状態を想定した新規制「RDE（リアル・ドライビング・エミッション）」について、内容が不明確であるとして欧州連合（EU）の欧州委員会に対し改善を求める声明を発表した。
EUの自動車専門委員会は19日、RDEを2017年9月から導入する欧州委の提案を承認した。ACEAは同提案には◇包括的な一連の基準◇具体的な性能限界◇規制の適用開始日――などが示されていないと批判。提案が承認されたことは「（RDEに関する）議論の終了を意味するものでは決してない」として、欧州委とEU加盟国に対し6月あるいは遅くとも7月までに「完全な」規制案をまとめるよう要請した。また、自動車メーカーが複雑なRDE規制に対応し、ハードウエアを変更するための十分な時間が持てるよう、規制の導入時期を二段階に分けることを提案した。
ACEAのヨナー事務局長は、欧州委員会がRDE規制に関して断片的なアプローチをとっていることに自動車メーカーは懸念を抱いていると指摘。「新たな基準に沿って車両の開発と設計を企画できるよう、事前に物事が明確される必要がある」と述べた。
