独自動車部品大手のマーレは6月17日、国産電機（静岡県沼津市）を買収すると発表した。5月1日から日本法人マーレジャパンを通して実施していた国産電機に対するTOB（株式公開買い付け）を6月16日で終了し、普通株の約90％を取得したという。国産電機の買収により、成長分野であるメカトロニクス事業を強化する。
マーレは2013年に国産電機に資本参加（出資比率：30.82％）し、2014年初めには出資比率を38.87％に引き上げた。
マーレは中・長期戦略としてメカトロニクス・電気部品事業の強化を進めており、中期的に当該事業分野の売上高で5億ユーロを目指している。2014年秋には同戦略の一環として、スロベニアのレトリカを買収した。レトリカは、乗用車や商用車、農機、建機、産業機械向けの電気モーターや、スターター、発電機、電気駆動システムなどを生産している。
メディア報道によると、マーレは従来の内燃機関エンジン向け部品事業を主力としてきたが、電気自動車など代替燃料車への移行を見据えた将来戦略に取り組んでいる。
国産電機は1931年の設立で、アンチロック・ブレーキ・システム（ABS）や電動パワーステアリング（EPS）、横滑り防止装置（ESC）用などの車載モーターを製造する。また、点火・充電系電装品やエンジン・電装品・モーター駆動の制御装置なども生産し、乗用車や商用車、二輪・三輪・バギー車、農機などのメーカーに製品を供給している。屋外作業やレジャー用途の発電機システムなども生産する。従業員数は800人強。国外ではタイ、中国、インドに工場を持つ。
