独高級車大手ダイムラー、BMW、アウディの3社は3日、フィンランドの通信大手ノキアのマッピング・位置情報サービス子会社ヒア（HERE）を共同買収することで合意したと発表した。3社はヒアの技術を自動運転技術や道路交通の安全性向上などに活用する。3社は均等出資し、いずれも過半数を取得しない方針。当局の認可などを得て、買収手続きは2016年第1四半期に完了する見通し。買収価格は28億ユーロ。ヒアの3 億ユーロ弱の債務を差し引いた実質の取引額は25億ユーロ強になるという。
3社はヒアの高精度のデジタル地図情報とリアルタイムの交通データを連携し、道路交通の安全性向上や新しいサービスの提供に取り組む。例えば、路面凍結や交通渋滞などの情報をリアルタイムでドライバーに提供し、事故の危険回避や快適な運転を支援する。
一方、ヒアは引き続き、自動車および他の業界の顧客に地図関連製品やサービスを提供していく。ヒアは現在、約200カ国・50以上の言語で地図情報やローカル情報を提供しているという。ヒアの6月末時点の従業員数は6,454人。2015年上半期（1～6月）の売上高は5億5,200万ユーロだった。
ノキアは4月、仏同業アルカテル・ルーセントを買収することで合意した。これに伴い中核の電気通信インフラ設備事業に経営資源を集中することを決め、ヒアを売却する意向を表明していた。
